今回も「居酒屋 いいとも」さんについて。
店内でもよく目立っている「たれ壁」について解説しましょう。
店内でもよく目立っている「たれ壁」について解説しましょう。
たれ壁とは天井から降りて来て、頭上くらいの高さで止まっている壁の事を指します。
まず今回の改装の中で、客席部分の既存の天井は取り払うことにしました。
天井高を確保し、広がりのある空間の獲得と、天井の上にある鉄骨梁やデッキプレートむき出しの無骨な雰囲気を演出します。
鉄骨梁むき出しの無骨な雰囲気がいつも良いとは限りませんが、そうした場合の空間の完成形を頭の中で思い描き、またコスト的にどうなのかを検討した上で魅力的だと判断すれば決行します。
今回はそう判断しました。
一方、厨房側は既存の天井高で十分なのでそのままです。
つまり客席と厨房では天井の高さに差が生まれます。
それと厨房の収納不足を補うために先ほどの触れた「たれ壁」を作り、壁の厨房側に収納棚を設ける事にしました。
すると、客席側からはとても目立つたれ壁の壁面が誕生します。
デザインする側としては勝負をかける壁面であり、工事予算をかける壁面でもあります。
見るに耐える壁面はビニルクロスでは演出できません。
もっと主張のある素材で、主張のある方法で作らなくてはなりません。
そしてそれが初めて見るような素敵なものであれば一番いいですね。
つまり発明であること。
今回は木を使った方が上手くいきそうだという感じがしていましたので、それをどう貼っていくのか?という事を発明しなくてはいけません。
またコストのかかり過ぎることは避けなくてはいけません。
悩んで、悩んで。。。悩んだ結果、家具職人の工場で見つけた端材からヒントを得ました。
工場では様々な樹種を扱っており、その端材をランダムに積み上げてみたら面白い壁になるんじゃないかと考えました。
工事当日現場入りして、用意してもらった素材の樹種を確認。
タモ
チェリー
杉
ニヤト
ホワイトアッシュ
ヒバ
ウォールナット
アガチス
たくさん種類があります。
下の方から一本一本貼上げていくのですが、厚みや樹種がいい感じでランダムになるように即興で職人さんに指示していきます。
タモ
チェリー
杉
ニヤト
ホワイトアッシュ
ヒバ
ウォールナット
アガチス
たくさん種類があります。
下の方から一本一本貼上げていくのですが、厚みや樹種がいい感じでランダムになるように即興で職人さんに指示していきます。
失敗して貼り直しになるのだけは避けたいので、それはもう。。。すごい集中力です(笑)
職人さんと夢中になって作り上げたこの壁。
貼り終わって気付けば7時間も経っていました。
体力、精神力共に疲弊しきっていましたが、非常に思い出深いものになりました。
施主さんにも大満足して頂けたので、挑戦して良かったと思います。
つづく…